ディベートとお酒と、たまに図書館

とある大学図書館に勤務する職員が日常をつづります。

統一地方選挙2019

統一地方選挙の第2ラウンドが始まってますが、筆者の住む自治体は第1ラウンドで全て終わったので、その感想も含めて書き留めておこうと思います。

3つのうち1つは無投票

筆者が住んでいるのは、ある政令指定都市で、今年は県知事選、県議選、市議選の3つが行われました。そのうち県議選は無投票。小さな町で議員のなり手がないという話はよく聞いていましたが、これだけ大きな自治体でも無投票になることが衝撃でした。

無投票による弊害としては

  • 当たり前ですが、民意を反映する機会を失う
  • 議会の正当性が薄れる
  • 議員としても、県民と直接話せる機会を失う

などなど色々な問題があります。

なり手がいない問題として、よく言われるのが待遇が悪い、という点ですが、県議会議員の年収は1千万を超えます。これを踏まえると、供託金の多さが一つの原因として考えれるのではないでしょうか。特に若者は供託金が高すぎてなかなか立候補に踏み切れない→若者の政治離れ、という構図もある気がします。

供託金を下げることについては、待遇の改善と合わせて議論されるべき1つの議題だと感じました。他の国の事例なども調べてみたいです。

市議選の投票先を決める難しさ

 県知事選は2〜4人から1人、県議選も3〜5人から1人を選ぶ選挙であり、政党色も割と強くでるので投票先はすんなりと決まるのですが、市議選は立候補者が10〜15もおり、その中から1人を選びます(筆者は政令市に住んでいるので区毎の選挙ですが、政令市にぎりぎりなれない規模の自治体だともっと多いでしょう。

(ぱっと思い浮かんだハウステンボスがある佐世保市を調べたところ、直近の選挙で33の定員に対して40人が立候補しています。つまり40人の中から1人を選ぶことになるのです)

最終的には、自分が大切だと思う軸をベースに何人かの候補に絞り込み、その中で経歴や政策を見て投票先を判断しました。その中で感じたのは以下の点です。

  • 政党という軸がないと投票先を選ぶのが難しい
  • 特に市町村議員選など多数から多数を選ぶ選挙だと、個人的な繋がりが非常に大きい(知ってるから入れる、という人は一定数いそう)
  • 地元の市議がどんな政策を立てているのか、どんな活動をしているのか全く知らない

特に3つめの点は強く感じていて、選挙のときだけ政策を見て、演説を聞いて投票先を決めても、本当の意味での民主主義は実現できないと感じました。

選挙がない時期に政治に関心を持つ

ディベートではよく選挙関連の議題で「選挙中」「選挙間」で分けて議論せよ、と言われますが、まさに「選挙間」で自分が何もしていないと気づかされました。国会議員や首長のことはメディアでも取り上げられることが多いため、気にしますが、最も基本的な地元自治体のことはこれまであまり気にしたことがありませんでした。

有権者が気にしないと議員も有権者を気にしなくなり、負の連鎖が続いていきます。手始めに、今回投票した議員がこれからどういう活動を行うのか、意見を二分するような議案でどういう態度をとるのか、を注視していきたいと思います。

そして時間があれば議会の傍聴に行きたい。以前裁判の傍聴に行ったときに、実際に被告、検察官、弁護人が裁判をしているのをみて、非常に新鮮な感情になり、裁判というものが少し身近に感じられるようになりました。

きっと議会でも同じようなことがあると思うので、傍聴に行きたいんですが、議会の開会日は平日、仕事で行けないことが多いのです。やはり議会を休日にもする、という事を考える必要があると思いますが、そのためには自治体職員も休日働く事になり、難しいという面も理解できます。

こんな複雑な問題が絡み合うのが政治だと思います。一気になんでも解決はできないので、自分のできる事から一つ一つ手をつけていこうと思いました。